dB換算でよくある7つの間違い

EMCデータでdBµV、dBm、dBµV/m、不確かさを扱う際に繰り返し起こる7つの誤りを、正しい計算方法と数値例とともに紹介します。

公開日: 2026-10-10 · 最終更新: 2026-10-10

EMCデータの大半はdBで表されるため、換算のちょっとしたミスがそのまま試験結果の誤りになります。ここでは頻繁に起こる7つを挙げます。

1. 電圧に10·log₁₀を使う

電圧、電流、電界は振幅量なので20·log₁₀を使います。10 mVは20·log₁₀(10 mV / 1 µV) = 80 dBµVです。10·log₁₀を使うと40 dBµVとなり、40 dBもずれます。

2. dBm ↔ dBµVのオフセットを50 Ωだけで覚える

dBµV = dBm + 90 + 10·log₁₀(Z) なので、オフセットは50 Ωで+107、75 Ωでは約+108.75です。システムインピーダンスが違えばオフセットも変わります。

3. プリアンプ利得の符号を間違える

プリアンプは信号を大きくしているので、真の電界強度を得るにはその利得を引きます。ケーブル損失とアッテネータは加算します。最も確実な確認方法は、プリアンプのオン/オフで換算結果が同一になることです。

4. 3 m ↔ 10 m の限度値換算に計算値を使う

計算上の補正は20·log₁₀(10/3) ≈ 10.46 dBですが、規格では通常、丸めた値(例:10 dB)が表で示されています。適合判定には、必ず実際の距離に対する表の限度値を使用してください。

5. dBの絶対レベルを足し算する

「40 dBµV + 37 dBµV」を77と計算してはいけません。無相関の2つの信号の和は電力(または電圧の二乗)を加算するため、約41.8 dBµVとなります。相対値(dB)の加算は問題ありませんが、絶対レベル同士は不可です。dBm + dBは可、dBm + dBmは不可です。

6. V/mとdBµV/mを混同する

1 V/m = 120 dBµV/m、10 V/m = 140 dBµV/mです。エミッション限度値(例:40 dBµV/m = 0.1 mV/m)とイミュニティレベル(例:3 V/m)は、比較する前に同じ単位に揃えてください。

7. 不確かさを線形に足し合わせる

独立した不確かさ成分は二乗和平方根(RSS)で合成します。0.8 dBと0.6 dBを足して1.4 dBとせず、√(0.8² + 0.6²) = 1.0 dBと計算してください。また、± の限界値は、合成する前に分布に応じた除数(矩形分布なら√3)で標準不確かさに変換します。

これらはすべて、本サイトの計算ツール(dBµV ↔ V、dBm ↔ dBµV、dBレベル合算、合成不確かさ)で確認できます。

関連する計算ツール

計算結果と要約は参考情報です。認証や試験成績書には、最新の規格原文と校正済み機器の値を使用してください。