伝導エミッション試験とLISNの基礎
電源ラインにおける伝導エミッション試験の目的、LISNの役割(固定インピーダンスとノイズ遮断)、150 kHz~30 MHzの範囲、プレコンプライアンスでの接地とレイアウトの注意点。
伝導エミッション試験は、製品が電源コードを通じて商用電源へ戻す高周波ノイズを測定します。一般的な商用電源ポートでは、通常150 kHz~30 MHzが対象範囲です。他の製品群(照明、車載部品など)では、異なる範囲やLISNを使う場合があります。
LISNが必要な理由
- 固定インピーダンス:商用電源のインピーダンスは場所ごとに異なり、結果がばらつきます。LISNは試験範囲で規定のインピーダンスを提供します(CISPR 16-1-2のVネットワーク:50 Ω ∥ (50 µH + 5 Ω)、公差内)。
- 電源ノイズの遮断:電源側から来るノイズを大きく減衰させ、結果に混入しないようにします。
- 測定ポート:各導体(L、N)と基準グランドの間のノイズ電圧を、50 Ωのレシーバ入力へ渡します。
単位と換算
商用電源ポートの伝導エミッション限度値は、検波器(準ピーク、平均)ごとにdBµVで規定されています。比較する前に、レシーバの読み値にLISN補正係数(内蔵アッテネータを含む電圧分圧係数)とケーブル損失を加えます。スペクトラムアナライザのdBm値は、50 Ωで+107を加えるとdBµVになります。
プレコンプライアンスの注意点
- 基準接地板までの距離と電源ケーブル長は、規格で規定されています。値が一致するよう、同じレイアウトを再現してください。
- 未使用のLISN測定ポートは50 Ωで終端します。
- エミッションが最大になるモードで製品を動作させ(最大負荷が常に最悪条件とは限りません)、LとNの両方を測定します。
- 結果が限度値を超えた場合は、まずコモンモードの問題かディファレンシャルモードの問題かを切り分けてください。対策が早く進みます。
LISNの詳細と限度値は、製品クラス(クラスA/B)と規格の版によって異なります。本サイトでは限度値の数値を掲載していないため、規格本文で確認してください。
現場メモ
- 経験上、ケーブルの細部が結果に影響することが多くありました。ケーブルのシールドが両端接地か片端のみか、ケーブルがツイストされているか、長さはどうかを確認してください。
- LISNの接地も確認してください。LISNの底面は通常、接地板に接触しています。複数台を重ねて置くと、接地接続が弱くなり、結果に影響する場合があります。
関連する計算ツール
計算結果と要約は参考情報です。認証や試験成績書には、最新の規格原文と校正済み機器の値を使用してください。